感知器とは
感知器とは熱や煙に反応するセンサーの事です。
一般的に天井に取り付けられ、防災センターや管理所に火事を知らせます。
感知器と一言で言っても様々な種類があり、それぞれの構造によって誤発報が起きるので、感知器が作動する仕組みをさらっと見てみましょう。

熱感知器(定温式スポット型)
熱感知器とは、名前の通り熱に反応する感知器です。
感知器の周辺の温度が一定以上になれば作動します。煙等では作動しません。
一定の温度で発報する仕組みはいくつか種類がありますが、最も代表的な仕組みは金属の熱による膨張を利用したものです。
膨張率の異なる2枚の金属を張り合わせたものをバイメタルを呼びます。バイメタルに熱を加える事により、2枚の金属の膨張率の差によって反り返っていきます。この金属板の反り返りによって金属板がスイッチの役割を果たして導通し、熱感知器が作動します。

熱感知器(差動式スポット型)
定温式の熱感知器は一定の温度を超える事によって作動する感知器でした。
対して差動式スポット型は一定の温度に反応するのではなく、急激な温度差に反応して発報します。
差動式の仕組みは数種類ありますが、一番理解しやすいのは空気の膨張を利用したものです。
内部の空気室が熱によって急速に膨張する事によって金属製の柔らかい膜を押し上げて、それが接点となって導通します。
空気室には小さな空気孔が設けられており、緩やかな温度変化ではこの空気孔が外に圧力を逃がすため、発報する事はありません。

煙感知器(光電式スポット型)
煙感知器とは、その名の通り煙に反応する感知器です。熱には反応しません。
煙を感知する方法はいくつかありますが、最も代表的なものが光電式スポット型と呼ばれるタイプです。
内部に暗室があり、光を出す部分と光を受ける部分があります。しかし、間には仕切り壁があり、通常の状態では出力された光が受光素子に届く事はありません。
しかし、この暗室に煙が入り込むと中の光が煙で乱反射し、本来光が入らない受光素子まで光が届いてしまい、それによって発報します。

炎感知器(紫外線式スポット型感知器)
炎感知器とは、その名前の通り炎を検出する感知器です。
熱感知器と似ているように思うかもしれませんが、こちらは炎が出す熱ではなく紫外線を対象としています。
炎には必ず揺らぎがあり、紫外線量も変化します。炎感知器は紫外線量の変化から火災だと断定し、受信機に火災信号を伝えます。


以上が代表的な感知器となります。
本当はこれ以上に様々な種類がありますが、通常のビルで使われている感知器はこのページの種類だけ知っていれば十分です。
こうした感知器は消防設備士の4類に含まれる出題範囲で、もっと詳しく知りたい方は資格勉強をなさる事をお勧めします。
しかし、感知器においてはこれ以外の物を覚えても実際に現場で見る機会はそうそうないと思われます。