冷暖房の仕組み
冷房や暖房のような空調の仕組みをご存知でしょうか?
建物内の空調管理はビルメンの基本的な業務の一つです。
空調管理は最もクレームに繋がりやすい分野なので、まずは冷暖房の仕組みについて噛み砕いて解説していきます。

熱交換について
まずは熱交換の意味について解説します。
熱交換とは、その名の通り熱い物と冷たい物が接触した場合に熱が交換される現象の事です。
例えば、冷たい水の入ったコップとお湯の入ったコップをくっつけて並べてみます。するとお湯の入ったコップから冷たいコップに熱が移動し、放っておけば2つのコップはどっちもぬるい温度になります。
同じ事が空気中でも起こります。冷たい水の入ったコップに風を当てれば、コップの水はぬるくなりますが、冷たい風が生まれます。
これを利用して、冷水の入った配管にファンで風を送ると、配管にあたった風が冷たくなって出てきます。これが冷房の原理です。反対に温水の入った配管にファンで風を送ってやれば、温かい風が出てきます。配管の中を通る水を冷水や温水に切り替えるだけで冷暖房の切り替えが可能になります。

冷暖房の基本的な構造
冷暖房は前項で説明したように、配管に風を当てて空気の温度を変えるという簡単な仕組みで出来ています。
これを実行するには次の3つのパーツが必要です。

①熱コイル
②ファン
③フィルター

熱コイルとは、冷温水が運ばれてくる配管を効率的にしたものです。
太い1つの配管に風を当てるだけでは熱交換の効率が悪いため、空気に触れる表面積が増えるように工夫されています。具体的には配管を細くしたものをじぐざぐに並べ、フィンと呼ばれる羽のようなものがつけられています。

次にファンとは、扇風機のような風を送る回転体の事です。
このファンで風を熱コイルに送っていく事で、冷温風を室内に出します。

最後にフィルターは余計な物がファンや熱コイルに絡まないようにする為のものです。長時間使用していれば誇りが熱コイルに詰まって効率が悪くなるため、風の入り口にフィルターを設置して空気をろ過します。

空調機は上記の3つのパーツで成り立っています。
熱コイルに通る温水や冷水は、ボイラーや冷凍機、吸収式冷温水発生機などと呼ばれる機械で一斉に作られ、各フロアのAHUやFCUと呼ばれる空調機に運ばれて利用されます。
家庭で使われているようなパッケージエアコンでは、冷水や温水の代わりに代替フロンなどが利用されています。