ビル管理・ビルメンまとめ

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カテゴリ: ビルメンの基本

会社によって電工手袋が支給されるところもありますが、残念ながら大半のビルメン会社では自前で用意する事になっているのが現状です。
そのため、現場によっては誰も電工手袋を利用していなかったり、電工手袋の選び方もよく分かっていない新人さんが散見されます。
今回は電工手袋の必要性と、選ぶポイントについて解説していきます。


電工手袋とは?
作業用の手袋のことです。
絶縁能力があったり、キレ防止能力があったりと材質によって性能が大きく変わります。
電工手袋と言っても電気工事に使用するだけでなく、例えば発熱している球交換でも使えるため、ビルメンとしては持っておくべき基本装備でもあります。
消耗品ですので初学者のうちに特徴について学んで、効率よく買い物していきましょう。


電工手袋の選ぶ基準
電工手袋を買う時に考える基準は次の通りです。
・作業性(手袋の柔らかさ)
・通気性
・メンテナンス性(洗濯可能か)
・耐久性
・絶縁性
・コストパフォーマンス

まず一番大きいのが作業性です。
どれだけ高性能でも、作業がしづらい手袋は普段使いとしては選ぶべきではありません。
通気性もある程度確保したいところです。メンテナンス性と合わさって臭いの原因になります。
絶縁性については現場の特性を考慮するといいでしょう。
そして消耗品ですので、値段も抑えたいところです。
電工手袋はホームセンター等でも売っていて簡単に購入可能ですが、慣れないうちは実際に現物を見てみても優劣をつける事は難しいと思います。
ですので、ここでは鉄板商品をいくつか紹介します。

おすすめの電工手袋



デンサン 電工フィットグローブ ND-34M

デンサンの電工グローブです。
柔らかく、作業性がとても高いです。通気性も良いので蒸れづらく、長期の作業でも使えます。
電工試験に持っていった思い出の品でもあるのですが、かなり長持ちしました。
普段使いに適したおすすめの電工グローブです。



ワタベ 低圧ゴム手袋(薄手タイプ)直流750V以下 505

こちらは天然ゴムの絶縁手袋です。
絶縁性は高いですが、作業性と通気性がよくありません。
感電の危険性が高い作業で使用するべきもので、普段使いとして購入するのはやめましょう。
価格もそれなりにするので、現場で本当に必要なのか吟味してから購入するべきです。
個人的な意見になりますが、通常のビルメン業ではデンサンの電工グローブさえあれば殆どの作業では十分と思います。
一度ホームセンターで実際に色々な電工手袋を触ってみるのもいいかもしれません。
特に拘りがない、という方には上記の二つを購入しておけば困る事はないと思います。

ビルメン、ビル管理の仕事には工具が必要です。
ドライバーやペンチのような基本的なものは通常会社が用意しますが、個人で持っていた方が便利なもの多数存在します。

検電器
電流が流れているところに押し当てると、光ったり音が鳴ったりします。
ブレーカーを落とした後、本当にその回路のブレーカーだったのか?といった確認が簡単に出来ます。
電流が流れていない、という思い込みから活線に触れてしまう感電事故はビルメン業界では定番のもので、初心者こそ身を守るために購入しておきましょう
現場の先輩の言うことを信じすぎるのは危険な行為です。
自分でしっかりと通電の有無を確認する癖をつけましょう。
3000円前後で買えます
おすすめは日置電機の検電器です。amazonでも多数のレビューがある定番品で使いやすいです。


HIOKI(日置電機) 3481 検電器



カードテスター
テスター自体は殆どの職場に用意されていると思います。
しかし、多くのテスターは大きくて持ち運びに向いていません。
無人ビル等の巡回をする場合、ポケットサイズのカードテスターを持っていると非常に便利です。
お客様の前でいちいち取りに帰ったりする失態も見せなくて済みます。
おすすめは三和製です。ポケット電卓サイズなので持ち運びが楽で、価格帯の割に耐久性があります。




Sanwa(三和電気計器) デジタルマルチメーター PM-3


ダルマ
ドライバーはどこの職場にもあるはずですが、使用する度に防災センター等に取りに戻ることが多く、時間をロスする原因になりやすいです。
新人の頃は何度も道具を取りに帰ると先輩たちに「こいつ要領悪いな」と悪印象を抱かれかねないので、ポーチ等に入れて簡単に持ち運べるダルマ(小さいドライバー)を購入しておくことをおすすめします。
値段も数百円なので、ビルメンとしては是非とも持っておきたい道具です。


ベッセル(VESSEL) ベクトルスタビー差替ドライバー 270W-62


ヘッドライト
手持ちのライトはどこの職場にも用意されていますが、ヘッドライトが用意されていない事が結構あります。
また、もし用意されていたとしても他人の使ったヘッドライトを頭に巻き付けるのはやや抵抗がある人も多いのではないでしょうか。
ヘッドライトは作業性を著しく向上させ、衛生面からも個人用のものを一つ持っておくと便利です。
ビルメン業界はヘッドライトに拘りを持っているマニア(?)の方も結構います。
かくいう私も、ヘッドライトだけで五つ持っていたりします。
おすすめは下記の商品です。30時間持つので、値段的なコスパでは抜群です。

Litom LEDヘッドライト センサー機能付き【168ルーメン/実用点灯30時間/IPX6防水/防災】停電時用 軽量 登山 夜釣り キャンプ HP3A-S1





以上、4つがお勧めのビルメン道具でした。
ビルメン業界は工具を使うことが多いですが、手に馴染んだお気に入りの道具があると仕事もよく捗ります。
検電器は安全にも関わるものなので、是非とも購入を検討してみてください。
私は電気系から移ったので、入社と同時に検電器を持参していました。
現場の先輩の指示で動くだけでなく、必ず自分で通電を確認するように心がけてください。


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ビルメンが仕事で良く使う単位についてまとめました。
単位自体は知っていても、その大きさがピンと来ない方は多いと思います。
細かい定義より、各単位の感覚を掴む為の単位のまとめです。

立方(りゅうべい) 【㎥】
縦1m、横1m、高さ1mの立方体の体積を意味します。
水道メーターやガスメーターでよく使用される単位です。
1㎥の水は1トンの重さに相当し、1000リットルの水量になります。
トイレの大便器で流す水量が一回あたり5リットル~10リットル、つまり約5kg~10kgの重さなので、水道メーターで計測してる値はかなり大きな値なんです。

メガパスカル【MPa】
ポンプ等の圧力計でよく使われている単位です。
単位面積に対して垂直に働く力を意味します。
水の重さを面積で割ったものがメガパスカルになります。
これは逆に言うと、水を上に押し上げる力として表現する事もできます。
0.1MPaで水を約10メートル上げる(揚程)事ができます。
圧力計の表示が1MPaの場合、そのポンプは水を100メートル上まで揚程している事が分かります。

電流(アンペア)【A】
電流の単位です。
1Aという最小単位が非常に危険な数字の為、少数点やmA(ミリアンペア)の単位が使われる事が多いです。
0.01Aでも人は強い電気ショックを感じ取ります。
0.1Aで感電死の恐れが非常に高くなり、0.3Aが人が耐えられる限界と言われています。
漏電ブレーカーは0.15A~0.3Aで作動します。

電圧(ボルト)【V】
電圧の単位です。
42Vが人間が死にうる境界と言われています。
一般のコンセント用回路で使われているのは100Vで、動力用では200Vが使用されます。
100Vで感電した場合は電気ショックのみで助かる場合が多いですが、その分油断するために死亡者が多いです。
200Vは死の危険が非常に高いため、死亡者数が100Vより低いという統計結果になっています。
通常、ビルは6600Vの高圧で受電しています。これは触らなくても近くに立つだけで即死する危険な領域なので、必ず現場の指示に従って行動しましょう。

抵抗(ていこう)【Ω】
電気の通りづらさを示す単位です。
人間の皮膚表面の抵抗値は約2500Ωと言われています。
しかし、皮膚の内部は水分が多いため1000Ωまで低下します。
全身が汗などで濡れた場合、数百Ωまで一気に抵抗値が下がります。
夏場に汗をかきながら半袖で作業をした場合、体の抵抗値が非常に下がっているため感電死の危険性が急速に増加します。

ウエス
布切れの事。ウェイスト(ぼろ)が語源と思われます。
ちょっとした清掃や後片付けに使用出来て便利。
「ウエス取って」と先輩に言われたら布切れを渡しましょう。


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大体どこの現場にも置いてある防錆潤滑剤
例えば、ヒンジ等の金属同士が擦れ合う部分で「キイイイ」と嫌な音がする所に吹き付けると滑りを改善出来ます。
万能なので金属部分の不具合なら何でも吹き付ける人がいますが、鍵穴にだけは注油してはいけません。
鍵の滑りを良くしようなどと考えて吹き付けると、内部でゴミが絡まって鍵が入らなくなり、最悪シリンダーごと交換する事になってしまいます。
鍵穴の滑りを良くするには専用の潤滑油があるので、現場の先輩に専用のスプレーがあるか聞いてみましょう。


接着剤
営繕等でよく使用します。
現場では様々な接着剤が用意されていると思いますが、商品の裏側などに適した材質などが記載されているので確認してから使いましょう。
ベテランの先輩方は使用方法をよく見ずにどれも同じように使う人がいるかもしれませんが、接着するまでの時間や注意点が異なるものも多いため、こっそりと説明を確認しておきましょう。
先輩だからといって、全てを真似する必要はありません。


キーチェーン
鍵が落ちないようにズボン等に取り付けておくチェーンです。
鍵を持ち出す際は必ずキーチェーンにつけて移動しましょう。
清掃業者等でエレベーターの扉の隙間からシャフト内に落下させる事故がよく発生しています。
鍵の紛失はビル管理会社としてあってはならないことです。最も重要な道具です。


検電器
通電の有無を調べる道具です。
金属部等に当てて、もし電気が通っていれば光ったり音が鳴ったりします。
ブレーカーの切り間違い等で、電気が来ていないと思い込んで活線に触れてしまう事故を防げます。


クランプメーター
輪っかになっていて、レバーを押すと輪っかが開きます。
電線を輪っか部分に通すと電流値が測定できます


メガー
絶縁抵抗を測定する機械です。
使用上、感電の恐れや機器の破損の可能性があるため、現場の先輩に必ず使い方を聞いてから使いましょう。
また、一度説明を受けたからと言って、無断で練習等をしないようにしてください。
事故に繋がりやすい機器です。

ビルメンは業務上、様々な工具を使います。
普通の会社員からビルメンに転職された方には馴染みのないものだったり、似たような工具が多く困惑される事が多いと思います。
ここでは使用頻度の高い工具について簡単に説明していきます。

ドライバー
基本中の基本、ネジを固定したり外したりする道具です。
固定箇所が複数ある場合、全ての場所でネジを仮止めしてから順番に増す締めするのが一般的です。

貫通ドライバー
ネジを回す金属部分が持ち手部分の奥まで貫通して繋がっているドライバー。
強度が強く、ネジが固着してしまっている時に上から叩いて衝撃でネジを緩める事が出来る。
非貫通の通常のドライバーを上から叩くと壊れる可能性がある。

ウォーターポンププライヤー
配管工事でナット部分などを回す為に使われる工具。口の開きの大きさが調整できるため、様々な配管の経に対応出来る。
過去に流行した固有の商品名であるアンギラという名前で呼ばれる事もある。
給排水関係の修繕にはとりあえず持っていくと便利。

モンキーレンチ
ボルト等を回す道具。あごの大きさをウォームギアで調整出来る。
一つで様々な大きさのボルトに対応出来るため常に持ち歩いていると便利。

ペンチ
先端で物を挟んだり、刃の部分で切ったりできる多目的工具。
綺麗な切口にしたい場合はニッパーを使用した方がよい。

ニッパー
切る事を目的とした工具。ワイヤーの切断に使用する。
硬いものを切断する時にグリグリすると刃こぼれの原因になる。
硬いワイヤーの切断等で雑に扱う場合はペンチの方がよい。

ラジオペンチ
先端が長く尖ったペンチ。
細い場所で物を挟んだり作業する時に使用する。

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