ビル管理・ビルメンまとめ

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カテゴリ: 空調・給排気

ビルの空調設備として使われているファンコイルユニット(FCU)やエアハンドリングユニット(AHU)の故障箇所としてよく名前があがるのが二方弁です。
修理の見積書等に名前が出てたりするのですが、これについてあまりちゃんと解説してるサイトがなかったので、出来るだけ簡単に説明していきたいと思います。

そもそも二方弁とは?
名前の通り、二方向しかない配管で開閉する弁のことです。
ただの配管に、開閉するための弁がついているのを想像してください。
二方弁
代表的な二方弁は、蛇口のバルブです。
ひねるだけで弁が開放し、配管の水を出したり止めたりできます。


電磁弁について
弁を電気的にコントロールしたものを電磁弁と呼びます。
AHUやファンコイルの中を通る温水や冷水は、二方弁が電気的に自動でオン・オフして流量を調整しています。
弁が固着して動かなくなったり、劣化したりして動作ができなくなると、スイッチを入れても空調が動かない、なんてことになってしまいます。


二方弁が不具合を起こした場合の対応、対策は?
二方弁が不具合を起こしている場合、ペンチ等で無理やり開くような応急処置が考えられます。
ただ、根本的な解決にはならないため、早期の交換が必要になってきます。
二方弁は通常、交換しやすいようにユニット化されています。
不良があった場合、業者に連絡して交換してもらいましょう。
こういった流体系ではもし漏水が発生した場合、莫大な賠償金が発生してしまうため、自力で交換するのはお勧めしません。

ビル管理のクレームや事故でメジャーなのがエアコンからの水漏れです。
今回は業務用のPACエアコンから水漏れする原理と対策についてまとめました。

エアコンのドレン水と排水
空気が急速に冷えると、空気中の水蒸気が飽和して結露水が生じます。
エアコン内部では外部との温度差でどんどん結露水が生まれていき、ドレンパンと呼ばれる受け皿がこうした水分をまとめて受けます。
ドレンパンで受けた水はドレンアップと呼ばれるポンプで一度上に吸い上げてから、勾配を利用して排水していきます。
この時、十分な勾配が確保できていなかったり、ドレン排水管やドレンアップが詰まっていると排水ができず、ドレンパンから水が溢れて漏水へ繋がります。

エアコンの水漏れの予防策と対策
水漏れが起きた場合、すぐにエアコンを停止して結論水が生じないようにしましょう。
もしくは養生シートなどを利用してエアコンから水の通り道をつくり、床上のバケツ等へ排水する仕組みを作ることが必要です。
その後、どこで逆流が起きているかを探す必要があります。
ドレンアップのポンプが詰まっていないか、十分な勾配が取れているか、スライム化したものが排水を妨げていないか、順番に原因を確認していきます。
一か所で水漏れが発生した場合、同時期に取り付け工事をおこなった他のPACエアコンでも同様の水漏れが発生する可能性があります。
先手を打ってドレンパンの清掃や点検を実施しましょう。



AHU(エアハンドリングユニット)、通称エアハンはビルでよく使われていますが、一般家庭では絶対に使われていません。皆さんの家にあるのはパッケージエアコン(PAC)です。
AHU(エアハン)と家庭用のエアコンは一体何が違って、どういう使い分けをしているのか。今回はその違いや仕組みについて解説していきます。

そもそもエアコンとは?
エアコンは冷房や暖房など、室内の空気の温度を操作するための機械です。
室内に室内機と、ベランダや屋上に設置している室外機が1セットになっていて、室内機と室外機は冷媒管と呼ばれるホースのような物で物理的に繋がっています。
冷媒管の中には冷媒(れいばい)と呼ばれる、冷やすための物質が通っていて、これが室内機と室外機をぐるぐる回って、室内の熱を外に吐き出す仕組みになっています。
という事は、室内機に相当するだけの室外機が必要、という事になってきます。そして、室内機と室外機を繋ぐ冷媒管も、その数だけ必要になってきます。100室あって全てのパッケージエアコンを設置しているビルだと、屋上等に同じ規模の室外機を並べないといけません。
汎用的で安価ですが、室外機の場所を多くとる。これがパッケージエアコンの欠点です。大型ビルでパッケージエアコンが採用されづらい理由でもあります。

AHUとは?
AHUは空調機の一つで、エアコンと同様に室内の温度を操作する事ができます。
冷水や温水を作り出す熱源装置から配管を引っ張ってきて、その配管をコイルと呼ばれる細いグネグネしたものにし、そこにファンで風を送る事によって冷たい空気や温かい空気を室内に送り出す仕組みになっています。
室外機が不要ですが、冷水や温水を送り出す一つの巨大な熱源装置が必要になります。この熱源装置は通常、ビルの地下などに設置されます。

PAC(通常のエアコン)とAHU(エアハン)の違いと使い分け
2つの仕組みを解説してきましたが、ここで違いをまとめてみましょう。
エアコンは室内機だけでなく、それとセットになる室外機が必要です。多数の室内機が必要な大型ビルでは、室外機が数百単位で必要になってきて、その置き場所に困る事になります。
その代わり、エアコンは一つ一つが独立しているので、一つの部屋で空調トラブルが発生しても、他の部屋は問題なく使う事ができます。
それに比べてAHU(エアハン)は巨大な熱源装置を一つか二つ地下に置くだけで機能し、他に場所を取りません。冷水や温水を送り出すだけなので構造も簡単です。
しかし、大本となる熱源装置が壊れれば冷水や温水をAHUに送る事が出来ず、ビル全体の空調が機能を失う事態にもなります。
エアコンとAHU(エアハン)はどちらが優れているというわけではなく、ビルの規模や目的に応じた選択が必要になってきます。

ビルは密閉された空間なので外から酸素を取り入れたり、二酸化炭素を外に排気する換気設備が必須になります。
換気方法には3つの種類があり、これらはビル管の試験にも登場します。
それぞれの違いとポイントを抑えておきましょう。

第一種換気法
給気・排気ともに送風機と排風機を利用する換気方法です。
外から取り入れるのも、外に吐き出すのも機械を使うので常に新鮮な空気を維持する事ができます。
映画館など、人が多く集まる場所で使用されています。

第二種換気法
給気のみ送風機を使い、排気は機械を使わない換気方法です。
外から空気が入ってくるので室内の圧力が高くなり、自然と外に排気される形になります。

第三種換気法
排気のみ排風機を使い、給気には機械を使わない換気方法です。
外に空気を出し続けるため室内の圧力が低くなり、自然と外から給気される形になります。
トイレや台所のような臭いが発生する場所でよく使われます。
湿気が籠もりやすい風呂場でもよく見かけます。

私がビルメンになりたての頃、AHUとFCUの違いというか使い分けがよく分かりませんでした。
そこで簡単ではありますが、今回はAHUとFCUを比較してみたいと思います。

AHUとは
AHUはエアハンドリングユニット(通称エアハン)の略称で、建物の外部から取り込んだ空気を快適な温度・湿度に調整してから室内に送り込む空調機です。
外から取り込んだ空気は暑かったり冷たかったりします。冬だったら寒いだけでなく乾燥している事もあります。
まずはフィルターで埃等をろ過した後、熱コイルと呼ばれる部分で冷水や温水が通っている配管に風が当たる事によって、適度な温度に変更し、必要があれば加湿してからダクトで各部屋に送風します。一般的に天井のアネモと呼ばれる吹き出し口と繋がっている事が多いです。
わざわざ外部から空気を取り込む理由は、酸素の取り入れを目的としているからです。現在のビルは非常に密閉されているので、常に外の空気をビルに入れてあげる必要があります。
AHUはビルの空調において、中核的な存在です。

FCUとは
FCUとはファンコイルユニットの略称で、室内の空気を再度調整して循環させる空調機です。
窓際は外気の影響を受けやすく、部屋の中央部と窓際では温度差が出来てしまいます。FCUはこの温度差を解消するために一般的に窓際に設置されます。
構造としてはAHUとほぼ同じで、まずはフィルターで埃等をろ過してから熱コイルと呼ばれる部分で冷水や温水が通っている配管に空気を当てて適度な温度に調整、再度室内に空気を送り出します。

AHUとFCUの違い
AHUは建物の外の空気を調整する空調機。ビルの空調においてメインの役割を果たします。
FCUは室内の空気を調整して再度循環させる空調機。窓際の温度調整を担当していてサブ的な役割になっています。
FCUの運転だけでは外から酸素を取り込めず、AHUの運転だけでは窓際の温度調整が出来ません。
AHUとFCUを組み合わせる事によって、ビルの快適な温度を維持する事が出来るんです。


空調機については現場の先輩も間違った覚え方をしていたり、ビルメン初心者が躓きやすいジャンルです。
自分の知識に不安のある方は、以下の書籍等で自主学習すると不安が消えるかもしれません。
空調・給排水は突然のトラブルも多いので、いざという時の助けになります。


完全図解 空調・給排水衛生設備の基礎知識早わかり

ビルメンは資格を取るだけだと空調・給排水の知識が抜け落ちがちなので、上記のような鉄板の書籍等でしっかりと補強していきましょう。
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