ビルメンでメジャーな資格と受験対策を紹介します。
それぞれには有名な対策本が存在しますので、具体的に説明していきます。

第二種電気工事士
低圧での電気工事を実施するのに必要な免許です。
転職を有利に進める上で、もっとも優先度が高い資格です。
筆記試験と実技試験があり、三ヶ月ほどの勉強時間が必要になります。
筆記試験では計算問題を含む電気理論から、屋内配線図を元に答える問題、工具の名称や使い方を答える問題など、実用的な内容が多岐に渡ります。
実技試験では出題された単線図を複線図に戻し、それを元に図面通りの配線を机上の小さいスペースで行うもので、大きなミスをすると一発でアウトになってしまいます。
仕事と直結する実用的な資格なので、最優先で第二種電気工事士の取得を目指す事をお勧めします。
毎回出題パターンが同じになっており、有名な対策本が存在します。

ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すいーっと合格(2020年版)

上記が筆記試験に特化したものになっています。
試験会場にいけば分かりますが、この本を使用している方ばかりです。
筆者もこれを利用しました
また、この本は以下の実技試験用の本と対になっています。

2020年版 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士技能試験すい~っと合格: 入門講習DVD付

実技試験は予め13個の候補問題が公開されており、ランダムでいずれかが出るという内容になっています。
この本は13個の候補問題全てを網羅しており、この本をしっかりやっていれば実技試験を落とす事はありません。
DVDも付いているので、未経験の方でもとりあえず真似すれば大丈夫です。
これ以外の参考書は追加で購入しても、あまり意味がないと思われます。
上記の2つだけ購入し、繰り返し学習してください。
試験会場でもこの2つの本を多く目にする事になると思います。
何度も言いますが、たくさんの本を買う必要はありません。
この2つを繰り返し学習してください。それが一番の近道になります。
実際の試験では、電線の被覆を剥いたりする道具が必要です。
何を買えば良いか分からない方はホーザン製の以下のセットを買うと良いでしょう。
(ギリギリだと売り切れるので、申し込んで受験するのが確定から買いましょう

【Amazon.co.jp限定】ホーザン(HOZAN) 電気工事士技能試験 工具セット 基本工具 + P-958 VVFストリッパー DK-28AZ 特典ハンドブック・DVD付

上記のセットで一番重要なのはVVFストリッパーです。
電線を挟むだけで簡単に外側の被覆が剥ける道具なのですが、普通の家庭には絶対ないので購入する必要があります。
とりあえずホーザン製のストリッパーは電工試験では鉄板なので、こだわりがなければこれで決定です。
本職用の高価なストリッパーは購入する必要ありません。
その他、圧着ペンチなど試験で必要なのものが全てセットに入っているので、買い忘れ等は発生せず便利です。
中に入ってる折り曲げ可能なメジャーも、狭い試験場の机では使いやすいものです。
ドライバーやウォーターポンププライヤーもその後の仕事で使えるので、すでに受験が決まっている人が買って損する事はないでしょう。
被覆を剥くのに電工ナイフを購入する方もいますが、本番の試験中に出血する人がたまにいるので、未経験者は大人しくVVFストリッパーを買いましょう。電工ナイフは購入する必要ありません。職人っぽくて憧れるかもしれませんが、無駄遣いなので絶対にやめましょう。


一種電気工事士
高圧での電気工事を実施するのに必要な免許です。
ビルは通常高圧受電なので、安定期の交換等で実際に必要になります。
第二種電気工事士と同じく筆記試験と実技試験があり、三ヶ月ほどの勉強が必要になります。
筆記試験では計算問題から受電からキュービクルでの変圧を対象としたスケルトン図の問題が出題されます。年に一度行う停電試験で高圧設備の知識を必要とするため、これも仕事に直結する知識となります。
実技試験では第二種電気工事士と同じような問題が高圧ケーブルを用いて出題されます。
合格後に免状を取得するのに5年の実務経験が必要ですが、受験だけなら実務経験は必要ありません。
しかし、未経験者なら、これは無理にとる必要はありません。
まずは第二種電気工事士を各自に取れるようしましょう。


消防設備士
消防設備士は1類から7類まで7種類あります。
そのうち、推奨するのは4類と6類です。
4類は自動火災報知機を対象としています。消防設備の中で最も関わる機会が多い設備のため、知識面と実用面の両方から取得を推奨します。
6類は消化器です。無人ビルから大規模ビルまで必ずある設備なので汎用性が高いです。
試験では電気工事士のように工具の名称や使用方法を問う鑑別問題も出題されます。感知器の仕組みなども学べるため、優先度が高いです。
ただし、免許が実際に必要になる場面はかなり少ないです。土台になる知識を持っているというアピールに使う為の資格です。

危険物取扱者乙4
ビルの多くは災害に備えた非常用発電機を設置しており、重油が貯蔵されています。
一定数以上の危険物の貯蔵や取扱には危険物取扱者を選任する必要があり、業務上必要な資格となります。
資格範囲の知識は実務に役立ちません。
そもそも重油の補充などは通常、業者が定期的にやるものなので危険物の資格を実務に活かせる機会はないと思われます。
転職対策、あるいは資格手当のためと割り切るような資格です。


二級ボイラー技師
昔はよく推奨資格として挙げられた資格です。
現在のボイラーは小型化されて免許が不要となっており、相当な古い建物でない限りこの資格が役立つ事はありません。
大体の設備は20年で更新されていきます。昔ながらの免許が必要なボイラーが残り続けるのは何らかの特殊な理由を持つ建物だけと思われます。
年に何回も試験を開いているため、転職対策でとりあえず資格を取りたい方にはお勧めです。
ただし、転職時の面接でボイラーを持っていることをアピールしても「うちの会社、ボイラーのある現場ないよ」と業界研究の不備を指摘される可能性もあるのでは、と危惧します。


第三種冷凍機械責任者
ボイラーと同様に昔は推奨資格として挙げられる事が多かった資格です。
これが必要なビルはかなり少ないですが、転職対策で資格の数を増やしたい方にお勧めです。
入社してからは現場にこれが必要なビルがあるのか確認してから勉強しましょう。


建築物環境衛生管理技術者
ビルメンの代表的な高難易度資格。
ビル管理技術者やビル管の通称で呼ばれる。
ビルメンの実務経験が2年以上で受験資格を得る事ができ、合格率は約15%~20%。
各設備や法律など、出題範囲が非常に広いです。
ビルメンとして働くなら是非目標にしたい資格です。
人によってはこの資格が最終目標となります。


第三種電気主任技術者
ビルメンの代表的な高難易度資格。
電験三種という通称で呼ばれる事が多いです。
4つの筆記試験を3年以内に全て合格する事で免状を取得出来きます。
合格率は5%ほどと言われており、一夜漬けではどうにもなりません。入念な準備が必要です。
取得すると転職に非常に有利ですが、責任も重いため敢えて取得を目指さない人も多いです。


エネルギー管理士
ビルメンの代表的な高難易度資格。
通称、エネ管と呼ばれています。
よほどの大規模なビルでなければ必要のない為、あまり持っている人がいないレアな資格です。
あえて取得を目指すのは資格マニア的な要素を持っている人が多いように感じます。


以上、ビルメンに必要な資格について、でした。
しかし、ビルメンの仕事は資格を取れば何とかなるわけではありません。
図面を読む必要もありますし、各種測定器を使いこなす必要があります。
そして、悲しいことにビルメンの現場はそういう事を教えてくれる先輩があまりいません。
初学者のビルメンが呼んでおくべき良書は次の記事をチェックしてみてください。

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