ビル管理・ビルメンまとめ

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私がビルメンになりたての頃、AHUとFCUの違いというか使い分けがよく分かりませんでした。
そこで簡単ではありますが、今回はAHUとFCUを比較してみたいと思います。

AHUとは
AHUはエアハンドリングユニット(通称エアハン)の略称で、建物の外部から取り込んだ空気を快適な温度・湿度に調整してから室内に送り込む空調機です。
外から取り込んだ空気は暑かったり冷たかったりします。冬だったら寒いだけでなく乾燥している事もあります。
まずはフィルターで埃等をろ過した後、熱コイルと呼ばれる部分で冷水や温水が通っている配管に風が当たる事によって、適度な温度に変更し、必要があれば加湿してからダクトで各部屋に送風します。一般的に天井のアネモと呼ばれる吹き出し口と繋がっている事が多いです。
わざわざ外部から空気を取り込む理由は、酸素の取り入れを目的としているからです。現在のビルは非常に密閉されているので、常に外の空気をビルに入れてあげる必要があります。
AHUはビルの空調において、中核的な存在です。

FCUとは
FCUとはファンコイルユニットの略称で、室内の空気を再度調整して循環させる空調機です。
窓際は外気の影響を受けやすく、部屋の中央部と窓際では温度差が出来てしまいます。FCUはこの温度差を解消するために一般的に窓際に設置されます。
構造としてはAHUとほぼ同じで、まずはフィルターで埃等をろ過してから熱コイルと呼ばれる部分で冷水や温水が通っている配管に空気を当てて適度な温度に調整、再度室内に空気を送り出します。

AHUとFCUの違い
AHUは建物の外の空気を調整する空調機。ビルの空調においてメインの役割を果たします。
FCUは室内の空気を調整して再度循環させる空調機。窓際の温度調整を担当していてサブ的な役割になっています。
FCUの運転だけでは外から酸素を取り込めず、AHUの運転だけでは窓際の温度調整が出来ません。
AHUとFCUを組み合わせる事によって、ビルの快適な温度を維持する事が出来るんです。


空調機については現場の先輩も間違った覚え方をしていたり、ビルメン初心者が躓きやすいジャンルです。
自分の知識に不安のある方は、以下の書籍等で自主学習すると不安が消えるかもしれません。
空調・給排水は突然のトラブルも多いので、いざという時の助けになります。


完全図解 空調・給排水衛生設備の基礎知識早わかり

ビルメンは資格を取るだけだと空調・給排水の知識が抜け落ちがちなので、上記のような鉄板の書籍等でしっかりと補強していきましょう。
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感知器とは
感知器とは熱や煙に反応するセンサーの事です。
一般的に天井に取り付けられ、防災センターや管理所に火事を知らせます。
感知器と一言で言っても様々な種類があり、それぞれの構造によって誤発報が起きるので、感知器が作動する仕組みをさらっと見てみましょう。

熱感知器(定温式スポット型)
熱感知器とは、名前の通り熱に反応する感知器です。
感知器の周辺の温度が一定以上になれば作動します。煙等では作動しません。
一定の温度で発報する仕組みはいくつか種類がありますが、最も代表的な仕組みは金属の熱による膨張を利用したものです。
膨張率の異なる2枚の金属を張り合わせたものをバイメタルを呼びます。バイメタルに熱を加える事により、2枚の金属の膨張率の差によって反り返っていきます。この金属板の反り返りによって金属板がスイッチの役割を果たして導通し、熱感知器が作動します。

熱感知器(差動式スポット型)
定温式の熱感知器は一定の温度を超える事によって作動する感知器でした。
対して差動式スポット型は一定の温度に反応するのではなく、急激な温度差に反応して発報します。
差動式の仕組みは数種類ありますが、一番理解しやすいのは空気の膨張を利用したものです。
内部の空気室が熱によって急速に膨張する事によって金属製の柔らかい膜を押し上げて、それが接点となって導通します。
空気室には小さな空気孔が設けられており、緩やかな温度変化ではこの空気孔が外に圧力を逃がすため、発報する事はありません。

煙感知器(光電式スポット型)
煙感知器とは、その名の通り煙に反応する感知器です。熱には反応しません。
煙を感知する方法はいくつかありますが、最も代表的なものが光電式スポット型と呼ばれるタイプです。
内部に暗室があり、光を出す部分と光を受ける部分があります。しかし、間には仕切り壁があり、通常の状態では出力された光が受光素子に届く事はありません。
しかし、この暗室に煙が入り込むと中の光が煙で乱反射し、本来光が入らない受光素子まで光が届いてしまい、それによって発報します。

炎感知器(紫外線式スポット型感知器)
炎感知器とは、その名前の通り炎を検出する感知器です。
熱感知器と似ているように思うかもしれませんが、こちらは炎が出す熱ではなく紫外線を対象としています。
炎には必ず揺らぎがあり、紫外線量も変化します。炎感知器は紫外線量の変化から火災だと断定し、受信機に火災信号を伝えます。


以上が代表的な感知器となります。
本当はこれ以上に様々な種類がありますが、通常のビルで使われている感知器はこのページの種類だけ知っていれば十分です。
こうした感知器は消防設備士の4類に含まれる出題範囲で、もっと詳しく知りたい方は資格勉強をなさる事をお勧めします。
しかし、感知器においてはこれ以外の物を覚えても実際に現場で見る機会はそうそうないと思われます。

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