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過電流遮断器、配線用遮断器、漏電遮断器。これら3つの遮断器の違いについてちゃんと説明できますか?
まずは1つずつ定義や意味を解説していき、その違いについて説明します。

過電流遮断器
配線用遮断器とは、設定した電流値を超えると自動的に回路を遮断する装置のことです。
ヒューズのような使い切りの装置も、過電流を遮断するので過電流遮断器になります。

配線用遮断器
配線用遮断器とは、いわゆるブレーカーを意味します。
設定した電流値と時間を超えると自動的に回路を遮断します。
単なるヒューズは過電流遮断器であって、配線用遮断器とは呼びません

漏電遮断器
漏電遮断器とは、漏電を感知し設定した値を超えると自動的に回路を遮断する装置です。
市販されている漏電遮断器は、一般的に過電流を感知する機能も持っており、配線用遮断器の上位互換となっている事が多いです。
結果的に高価な遮断器になっています。

過電流遮断器と配線用遮断器と漏電遮断器の違い
それぞれの意味を解説してきましたが、ここで違いをまとめてみましょう。
過電流遮断器は過電流を感知する装置全般を意味します。ヒューズ等、含める対象が非常に広いです。
配線用遮断器は過電流遮断器の一種で、ブレーカーを意味します。含める対象がブレーカーのみで狭い定義になっています。
漏電遮断器は漏電を感知する装置ですが、一般的に過電流を遮断する機能もセットで販売されている事からブレーカーの上位互換という扱いになっています。
以上、過電流遮断器と配線用遮断器と漏電遮断器の違いでした。

地絡と漏電のように、過電流と短絡も使い分けが難しい言葉です。
それぞれの定義と意味の違いを解説していきましょう。

短絡
短絡とは、電気回路の2点が低い抵抗値で電気的に繋がってしまう事です。
英語ではショートサーキットと呼ばれており、その名の通り電気が近道してしまう回路のことです。
抵抗が非常に低い2点が繋がってしまうと、本来電気エネルギーを使って仕事をするはずの負荷がいない状態になってしまいます。すると負荷で消費されるはずの電流は行き場を失って熱エネルギーに変換され、ジュール熱となって回路を焼き切ります
これが短絡と呼ばれる現象です。
では、どれくらいのエネルギーが発生するのでしょうか。
オームの法則を思い出してみると、もっと具体的なイメージがわきます。
電流 = 電圧 ÷ 抵抗
上記がオームの法則です。
100V回路0.1Ωの銅線で短絡した場合を想定した場合、次のようになります。
電流 = 100V ÷ 0.01
電流 = 1000A

1000Aというのは非常に高い値です。
人が感電で死ぬのは0.1~0.3Aと言われています。人が死ぬ基準値の1万倍の電気エネルギーが発生するわけですから、短絡は非常に危険な現象なんです。

過電流
過電流とは、回路で想定されている以上の電流や、機器が許容できる電流を超えたものを意味します。
例えば、電気の使いすぎでブレーカーが落ちてしまうのも過電流が原因です。
想定以上の電流は短絡と同じように、強いジュール熱を生み出して回路を焼き切ってしまいます。
こうした過電流から回路を守るためのが過電流遮断器、いわゆるブレーカーになります。

短絡と過電流の違い
短絡が発生した場合、巨大な電流が発生します。
これは回路で想定している以上の電流値なので、短絡は過電流に繋がります、と言い切れます。
反対に過電流が発生した場合、必ずしも短絡が発生しているとは言えません。
家庭でドライヤーを複数使った場合、過電流によってブレーカーが落ちてしまいますが、これは短絡とは関係ないからです。
つまり、短絡は必ず過電流を引き起こしますが、過電流は短絡と関係あるとは限らない、というややこしい関係にあるんです。
混同されやすい言葉ですが、同意語ではないので注意が必要です。
以上、短絡と過電流の違いについての説明でした。

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