ビルメンをgoogleで検索すると「ビルメン 楽」というサジェストが出てきます。
ネット上で出てくるこうしたビルメン、ビル管理、設備管理は楽だという噂の真偽について、系列系ビルメンの管理人が思いを語っていきたいと思います。

ビルメン、ビル管理は本当に楽なのか?
結論から言うと楽です。
営業のようなノルマもなく、決算や納期のような追い込みもありません。
接客業のように常にお客様の目に晒される事もなく、事務室で休憩する余裕もあります。
過去にどこかで「自由にトイレに行ける業種は恵まれている」と聞いたことがありますが、ビルメンはまさに自由にトイレに行ける業種です。身動きが取れない、といった状況は少ないと思われます。
ビルメンは楽な仕事です。しかし、どれくらい楽なのか、という度合いについてネットの噂は一人歩きしているように思えます。
一日中ぼーっとしているだとか、蛍光灯を交換するだけだとか、そういうネットで良く見るような現場は99%ありません。あったとしても定年後のおじいちゃんが配属される現場であって、現役世代の正社員がそういった現場に配属される事は絶対にありません。ビルメンの現場は入札で取る事が多く、そういった暇な現場は単価が安いために定年後のおじいちゃんくらいでなければ採算が取れないからです。
私は系列系のビル管理会社に勤めています。系列系の場合、一般に言われるビルメンよりも遥かに書類仕事が多くなります。一日中ぼーっとするような事は基本的にありえません。月10時間ほどはサービス残業をせざるをえないくらいの業務量はありますし、求められる水準も高くなります。
しかしそれでも、ビルメンは楽な仕事であると言えます。過労死するような事はありませんし、仕事で追い詰められて鬱になる人も少ないでしょう。終電で帰る事もありませんし、有給が取れないといった悩みもないと思います。
ビルメンの場合、世間一般で言うブラック企業のような労働環境に陥りづらい事が最大のメリットであると言えます。ネットで言われているほど過剰に暇を持て余すわけではありませんが、十分にワークライフバランスが整った生活を送る事ができます。

ビルメン、ビル管理のしんどいところ、辛い事、きつい事
良い事ばかり語ってきましたが、ビルメンにだってもちろん辛い事があります。
例えば、汚い仕事です。
トイレの詰まりを解消するのはビルメンの仕事です。「詰まってますよー」とお客さんから電話が入ったらラバーカップを片手にトイレへ向かい、詰まった汚水を解消してやる必要があります。他人の排泄物が混じったトイレで作業するのは人によっては相当な苦痛になるのではないでしょうか。
特に病院系、精神病院などでは様々なものがトイレに流されるため毎日数回トイレ詰まりが発生し、これが原因で辞める人もいます。
汚水槽の清掃や点検だってビルメンの仕事です。中に入って清掃するのは業者であっても、点検等で汚水槽を開けなければいけない事も多いです。給水だけでなく排水もビルの設備の一つであるため、ビルメンとこういった汚物処理は切っても切り離せない関係にあります
汚水関係以外では異動が挙げられます。ビルメンはビルに常駐したり巡回する事が仕事です。どこかのビルで欠員が出たら異動させられる事もあります。異動があれば人間関係に悩む確率もあがりますし、一から新しい事を覚え直さないといけないため非常にストレスになります。
それ以外では金銭面も問題になりがちです。系列系では年収400万円ほどは貰えるので最低限の生活はできますが、独立系ではボーナスなしの手取り15万といった年収200万台の会社がごろごろ転がっています。ネットで聞いたような楽な仕事でもなく、給料も安いために「割に合わない」と辞めていかれる方も多いのが実情です。

ビルメン、ビル管理は楽である、という幻想は捨てるべき
ビルメンは楽である、という噂に踊らされてこの業界に入るときっと後悔する事になると思います。
ビルメンはブラック企業が殆どない。これくらいの認識がもっとも正しいのではないでしょうか。
5chなどのネットで語られるビルメンのイメージは10年以上前のものです。掲示板等の無責任な書き込みを真に受けるのはお勧めしません。
現代のビルメンはサービス業です。お客様への応対が第一であり、オーナー様へのご説明や提案が主な仕事です。非常に対人関係の多い仕事なのが実情です。
事務室でネットサーフィンして、定時の検針業務だけやって帰る。ネットで語られるような楽な現場はどこにもありません。
そんな幻想は捨ててしまいましょう。でないとネットの嘘を真に受けて転職してしまう悲惨な結果になってしまいます。

当ブログではビルメン業界の情報を出来るだけ赤裸々に公開しています。
ビルメン業界に興味がある方は他の関連記事も合わせてどうぞ。