電気エネルギーのロスには電圧降下電力損失の2つがあります。
現場で慣れてきた人ほど基礎的な理論を忘れがちです。
今回は電圧降下と電力損失の違いについて定義から解説していきます。

電圧降下とは
電圧降下とは元の電源電圧が電線の抵抗によって負荷に辿り着いた時には電圧が低下してしまう現象を意味します。
あくまで電圧の低下であり、電流は関係ないところがポイントです。

電力損失とは
電力損失とは、電気エネルギーが本来の目的以外に消費されてしまう現象を意味します。
具体的には、銅線に電流を流すとジュール熱によって銅線の温度が上がります。これは本来の目的以外で電気エネルギーが熱エネルギーに変換されて無駄になってしまっています。これを銅損といいます。
他にも鉄が磁化される時のヒステリシス損など、思わぬ所で電気エネルギーは別のエネルギーに変換されて損失されていきます。

電圧降下と電力損失の違い
電力は電圧✕電流で求められます。
電圧が下がれば、電力も下がります。つまり、電圧降下は電力損失に繋がるということです。
しかし、電力損失は電流の損失によっても発生するため、電圧降下と同じ意味であるとは言えません。
電力損失の小さな分類が電圧降下、という認識が正しいと言えるでしょう。