VAとかKVAという電気の単位を見たことがないでしょうか?
学校で習った覚えもないのに仕事で突然出てくる謎の単位です。
このVAという単位は、私達ビルメンが毎日のように記録している力率と密接な関係にあります。
このページではW(ワット)と似たような使い方をされるVAについて、その定義、意味、違いを解説していきます。

VAとは?
皮相電力の単位で、ボルトアンペアと呼びます。
皮相電力とは何かご存知ですか?
電力には実際に仕事をする「有効電力」と、仕事をしない「無効電力」の2種類があります。
皮相電力はこの「有効電力」と「無効電力」を合わせたものなんです。
仕事をするしないに関わらず、発生してる電力を皮相電力と呼び、VA(ボルトアンペア)の単位をつけます。
KVAはキロボルトアンペアの事で、VAの1000倍の値を意味します。

Wとは?
消費電力の単位で、ワットと呼びます。
ドライヤーなどの電気機器で実際に仕事をする(消費する)有効電力の大きさを意味します。
一般的な家電の説明書で使われていて、VAよりも馴染み深い単位ですよね。
KWとはキロワットの事で、Wの1000倍の値を意味します。

VAとWの違い
もう一度定義をおさらいしましょう。
Wは実際に仕事をする有効電力の単位です。
VAは有効電力に加えて、実際は仕事をしていない無効電力も加えた単位です。
大きさとしては無効電力を含んでいるVAの方がWより大きくなります
そしてVAとWの違いは力率によって決定されます。
力率が100%ならば、無効電力はゼロになるのでVAとWは同じ値になります。
力率が90%ならば、無効電力は10%分だけ発生しているため、VAが10%余分に大きくなります。
VAとWが離れているほど、無駄な無効電力が大きく発生している事になります。
これがVAとWの違いであり、私達が力率を監視、記録する理由となります。